|
|
| 解説「厚生局移管その後」 格差は解消できるか |
昨年10月に指導、監査など保険医療行政が、社会保険事務局から厚生労働省の地方厚生局に移管され、4月より新たな年度を迎えた。今まで東海4県においても指導、監査の実施や運用についてかなりの温度差が認められた。東海北陸厚生局への移管によって、こうした格差は是正されていくのであろうか。
医科は11.3倍、歯科は3.7倍
表は、2007年度の新規指定を除く個別指導の実施状況について、東海北陸厚生局管内6県で比較したものである。個別指導の実施割合算出にあたっては、診療所だけを分母としているので正確とはいえないが、傾向を掴むことは可能である。そこで実施割合を比較すると、医科は、最低が愛知の0.35%、最高が富山の3.96%で最低と最高の差は11.3倍となる。歯科はこれも愛知の1.13%が最低、富山が4.21%で最高、最低と最高の差は3.7倍である。県によって歴然とした格差が見られる。
またこの表でもう1つ特徴的なことは、富山を除いて、医科より歯科の方が実施割合が顕著に高いことである。医科の実施割合に対して歯科は、岐阜2.48倍、愛知3.23倍、三重6.95倍、静岡4.55倍、石川3.01倍となっている。富山を含めた6県平均の医科実施割合は、0.8%、歯科実施割合は2.2%で、歯科は医科の2.75倍となっている。
歯科は医科の2.75倍
当県は、医科、歯科とも平均よりやや高い位置にあり、最も高いのは富山である。厚生労働省は個別指導の目標数値を保険医療機関全体の4%としているので、富山は医科、歯科ともほぼその数値に近く、優等県といえるかもしれない。
本紙で報道した指導対象患者の通知については、6県中5県が「前日」の通知であり、静岡の医科のみが「4日前」に通知されており、診療側への配慮が見られる(ただし歯科は事前通知は行われず、2か月分の全患者が対象となっており6県中最悪)。医師会、歯科医師会は静岡医科の実績を根拠に要望し、厚生局が限定し条件をつけた形で容認したということであろう。だからこの点については、4月より管内6県、医科も歯科も同じとなる。
今後の動向を注視
それでは他のことについてはどうであろうか。新規指定の個別指導の自主返還は愛知が医科、歯科とも行われていなかったが、4月より実施される模様である。また全国的にも珍しいが、石川の医科では保険医の便宜をはかって、集団的個別指導は日曜日又は夜7時以降実施してきたが、これは4月以降も継続される。さらに集団的個別指導を受け翌年高点数が持続すれば翌々年に個別指導が行われるが、2007年度に実施されていなかった愛知、三重、静岡(いずれも医科のみ)では、これが実施されるかどうかについては、いまだはっきりしていない。
今まで長きにわたり県単位で実施されてきた経緯があるので、地方厚生局に移管したからといって直ぐに管内で平準化が進むとは考えにくい。しばらくは紆余曲折が予想され、今後の動向を注視する必要がある。(O)
(岐阜県保険医新聞2009年4月10日号)
|
|