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2010年度 (医科)個別指導の指摘事項
 協会は東海北陸厚生局岐阜事務所に対して、2010年度に実施された個別指導での指摘事項を開示請求したので紹介する。

第6回 精神療法、処置、手術、麻酔


 今回は精神科専門療法、処置、手術、麻酔について
 本稿で紹介する指摘事項は、あくまで岐阜事務所が指摘したものであり、適正を欠く部分も見受けられるので参考程度にご覧いただきたい。

【凡例】

① 重複記載を避けるため、次の方法で掲載した。

 ア)「・」は◇の指摘事項の後に続く、指摘内容である。

 イ)文言が一部異なる程度の指摘事項にはその箇所に※を付け、異なる点を列挙した。

② 指摘事項末尾の( )内の数字は、当該指摘を受けた医療機関数である。


■精神科専門療法
【精神科訪問看護・指導料】

◇ 精神科訪問看護・指導料(Ⅰ)の算定においては、保健師等に対して行った指導内容の要点を診療録に記載する必要がある。当該訪問看護・指導料の算定日において、これらに関する診療録記載が欠けているため、当該訪問看護・指導料の算定が不可と判断される例が認められた(自主返還の対象)。(1)


【持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料】

◇ 持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料の算定においては、治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する必要がある。当該指導管理料の算定日において、これらに関する診療録記載が欠けているため、当該指導管理料の算定が不可と判断される例が認められた(自主返還の対象)。(1)


■処  置
【皮膚科軟膏処置】

◇ 皮膚科軟膏処置の算定においては、処置部位を具体的に図示して、それぞれの部位の処置面積を診療録に記載すること。(4)


【消炎鎮痛等処置】

◇ 関節炎発症から6カ月以上経過しているにもかかわらず、消炎鎮痛等処置(器具等による療法)の算定を診療日毎連日にわたり算定している例が散見された。その必要性の根拠が乏しいので、今後は個々の症例毎の病態に対応した、より適正な処置回数を選択すること。(1)


■手  術
【カルテ記載】

◇ 外来での皮膚、皮下腫瘍摘出術等の算定においては、その手術部位、大きさ等の手術記録を残すことが必要である。これらの診療録への記載不備例が認められた。(1)


【同一病変・治療目的の手術の併施】

◇ 手術記録から判断して、同一病変かつ同一治療目的で、連日、皮膚腫瘍冷凍凝固摘出術、皮膚切開術を施行した症例が認められたが、この症例の手術料算定は、主たる手術料(皮膚腫瘍冷凍凝固摘出術)のみの算定が妥当と判断する(自主返還の対象)。(1)


■麻  酔
【麻酔管理料(Ⅰ)】

◇ 麻酔管理料(Ⅰ)の算定にあたっては、届出のある麻酔科標榜の医師により麻酔を実施した場合に算定が可能であるが、届出のない医師による麻酔実施例が散見された(自主返還の対象)。(1)


【トリガーポイント注射】

◇ 発症から1年以上経過した腰痛患者に対し、トリガーポイント注射の算定が月に10数回以上頻回に請求されており、診療録等の記載から判断して、その必要性の根拠が乏しい例が散見された(自主返還の対象)。(1)


(岐阜県保険医新聞2012年2月10日号)



第5回 投薬、注射、リハビリ


 今回は投薬、注射、リハビリについて。
 本稿で紹介する指摘事項は、あくまで岐阜事務所が指摘したものであり、適正を欠く部分も見受けられるので参考程度にご覧いただきたい。

【凡例】

① 重複記載を避けるため、次の方法で掲載した。

 ア)「・」は◇の指摘事項の後に続く、指摘内容である。

 イ)文言が一部異なる程度の指摘事項にはその箇所に※を付け、異なる点を列挙した。

② 指摘事項末尾の( )内の数字は、当該指摘を受けた医療機関数である。


■投  薬
【処方せん】

◇ 処方せんの薬剤名記入においては、原則として薬価基準に記載されている名称を記載する(一般名による記載でも差し支えない)が、この記載に不備が散見された。(例)「ヒアレイン1本」ではなく、「ヒアレイン点眼薬(0.1%5ml)1瓶」と記載すること。(1)


【特定疾患処方管理加算】

◇ 特定疾患処方管理加算は、生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾患を主病とする患者について、処方せんを交付した場合算定できる。(2)

・この加算算定における主病とは、当該患者の全身的な医学管理の中心となっている疾患を指しており、実際に特定疾患を中心とした管理が行われていない場合は、この加算が算定不可と判断される。これらの観点から、特定疾患処方管理加算の算定で不適切な症例が認められた(自主返還の対象)。(1)

・当該加算における主病とは当該患者の全身的な医学管理の中心となっている疾患を指しており、「感染性胃腸炎」等の特定疾患対象外の傷病名で当該加算を算定している例が認められた(自主返還の対象)。(1)


【長期投与加算】

◇ 長期投与加算は、生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾患を主病とする患者に対して薬剤の処方期間が28日以上の処方を行った場合に加算できる。厚生労働大臣が別に定める対象疾患以外の患者に対して、長期投与加算を算定している例が認められた(自主返還の対象)。(1)


【ビタミン剤の投与】

◇ ビタミン剤に係わる薬剤料を算定する場合には、当該ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨を具体的に診療録及び診療報酬明細書に記載しなければならない。(11)

・その診療録への記載が無い例が認められた。(7)

・これらの診療録記載の不備例が認められた。(3)

・「食欲不振・筋痛・体力消耗あり」との傾向的理由のみで、ビタミンB1、B6、B12、ビタミンCの注射薬の同時使用は、その必要性の根拠が乏しいので、今後は患者毎の病態に対応した薬剤使用を心掛けること。(1)

◇ ビタミン剤の薬剤料算定において、経口投与と静脈内投与の重複投与が認められた。(3)

・(例)経口投与として、ビタノイリンカプセルとバンコミン錠の長期投与例(5ヶ月以上)において、さらに再診時毎にメチコバール注射薬使用は、重複投与と判断される(自主返還の対象)。(1)


【投薬上の留意点】

◇ 投薬は、診療上必要であると認められる場合に行うべきである。「麦粒腫」の傷病名で2種類の点眼薬が処方されているが、麦粒腫の診断根拠となる、病変部位、その大きさ、病状の程度等に関する診療録記載の不備例が認められたので改善すること。(1)

◇ 薬剤の使用にあたっては、薬事法承認事項(効能、効果、用法、用量、禁忌等)を遵守すること。

(例)βブロッカーであるカルノノン錠の使用は、気管支喘息患者には禁忌であり、特に高齢者(65歳以上)では、重篤な副作用が危惧される(自主返還の対象)。(1)


【薬剤の適応外使用】

◇ 「エンテロノン-R散」の適応は、抗生物質・化学療法剤投与時に限られており、抗生物質・化学療法剤投与がされていない患者の投薬は適用外使用である。これらの観点から、薬剤料の算定で不適切な症例が散見された(自主返還の対象)。(1)


■注  射
【同種経口薬との併用】

◇ 経口投与が可能であり、ATP腸溶錠服用中の患者に対して、再診日毎にATP製剤の注射が施行されている症例が認められた。その注射併用の必要性が乏しいので、今後は原則、同種薬剤の経口・注射の併用は行わないこと。(1)


【薬剤の適応外使用】

◇ 適応外投与の例が認められた。(例)胃癌の入院患者にタケプロン静注用30mg2瓶を、平成22年7月に17回、8月に16回投与等が認められた(自主返還の対象)。(1)


■リハビリ
【疾患別リハビリテーション料】

◇ 疾患別リハビリテーション料の算定において、医師は定期的な機能検査等をもとにその効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成するとともに、リハビリテーションの開始時及び3ヶ月に1回以上、患者に対して、当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、その要点を診療録に記載する必要があるが、これらの診療録への記載不備例が認められた。(2)


【リハビリテーション総合計画評価料】

◇ リハビリテーション総合計画評価料は、定期的な医師の診察及び運動機能検査又は作業能力検査等の結果に基づき、医師、看護師、理学療法士等の多職種が共同してリハビリテーション総合実施計画を作成し、これに基づいて実施したリハビリテーションの効果、実施方法等の評価の要点を診療録に記載する必要があるが、この診療録等への記載不備例が散見された。(1)

◇ リハビリテーション総合計画評価料は、2回目以後の算定においては、前回算定日以後のリハビリテーションの効果、実施方法等の評価の要点を診療録に記載する必要があるが、これらの診療録等への記載不備例が散見された。(2)


(岐阜県保険医新聞2012年1月10日号)


第4回 在宅医療、検査


 医学管理料の指摘事項が膨大なため今回は後半部分について。
 本欄は、あくまで岐阜事務所が指摘した事項であり、適正を欠く部分も見受けられるので参考程度にお目通しいただきたい。なお、指導を受けられた先生で指摘事項に納得がいかない場合には曖昧にすることなく、岐阜事務所に納得がいくまで説明を求めるか、保険医協会に相談いただきたい。

【凡例】

① 重複記載を避けるため、次の方法で掲載した。

 ア)「・」は◇の指摘事項の後に続く、指摘内容である。

 イ)文言が一部異なる程度の指摘事項にはその箇所に※を付け、異なる点を列挙した。

② 指摘事項末尾の( )内の数字は、当該指摘を受けた医療機関数である。


■在宅医療
【在宅療養指導管理料の算定方法】

◇ 指導管理料は算定要件として、在宅療法を指示した根拠、指示事項、指導内容の要点を診療録に記載する必要がある。(14)

・これらの診療録記載の不備例が散見された。(13)

  ※指摘された管理料

   1)在宅自己注射指導管理料(4)

   2)在宅自己導尿指導管理料(4)

   3)在宅酸素療法指導管理料(3)

   4)在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(2)

・これらの診療録への記載が無く、在宅酸素療法指導管理料(その他の場合)の算定が不可と判断される例が散見された(自主返還の対象)。(1)


【血糖自己測定器加算】

◇ 血糖自己測定器加算の算定において、実際の患者血糖自己測定回数に応じた六段階の加算料算定がなされていない例が認められた。(13)

・実際の測定回数と六段階加算料と一致しない例の差額が自主返還の対象。(12)

・今後は、これら実際の測定回数と6段階加算料との一致を確認すること。(1)


【注入器用注射針加算】

◇ 注入器用注射針加算の算定は、厚生労働大臣が別に定める注射薬の自己注射を行っている入院中の患者以外の患者に対して、注入器用の注射針を処方した場合に加算できるが、注射針を処方していない患者に対して算定していた例が認められた(自主返還の対象)。(1)


【特養入所者の医療】

◇ 保険医が特別養護老人ホーム等の配置医師である場合は、配置されている施設に入所している患者に対して行った診療については、介護報酬、自立支援給付、措置費等の他給付において評価されるため、初診料、再診料、小児科外来診療料及び往診料を算定することはできないが、管理者が、特別養護老人ホームの配置医師となっている施設入所者に対し往診料を算定していた例が認められた(自主返還の対象)。(1)


■検  査
【一般的事項】

◇ 保険診療における各種検査は、診療上必要があると認められる範囲で段階的に必要最小限に施行されるべきである。(25)

◇ 診療録の記載から判断して、検査項目や検査回数に関して、その必要性の根拠が乏しい例が散見された(自主返還の対象)。(6)


【内分泌学的検査】

◇ 「甲状腺機能異常の疑い」にもかかわらず、甲状腺機能関連の症状や甲状腺触診所見の診療録記載がないTSH・FT3・FT4精密検査施行例は、その必要性が明確でないので診療録記載には十分注意を払うこと。(1)


【腫瘍マーカー】

◇ 腫瘍マーカー検査料は、悪性腫瘍の患者であることが強く疑われる者に対して検査を行った場合に算定できる。診療録記載上、当該検査の必要性の根拠が乏しく健康診断的と疑われる例が認められた。今後は、「患者の自覚症状、体重減少、貧血進行、画像診断所見」等悪性腫瘍を強く疑った根拠について診療録記載を残すこと。(2)

◇ 「前立腺癌の疑い」のPSA精密検査例で前立腺癌関連の診療録記載が全く無く、その検査の必要性が乏しいと判断された例が認められた(自主返還の対象)。(1)

◇ 「前立腺癌の疑い」の傷病名で、PSA検査を算定した同日に医学的に判断して必要が無いPAT、γ-セミノプロテインの検査が算定されていた(自主返還の対象)。(1)


【感染症免疫学的検査】

◇ 「溶連菌感染症」の傷病名でA群β溶連菌迅速検査を同月2回算定しているが、これら2回検査の必要性の根拠が乏しい例が認められたので、今後は、検査の必要性の根拠を診療録に残すこと。(1)

◇ 術前のスクリーニング検査として、HIV-1、2抗体価検査の算定は、輸血歴、HIV感染症を疑わせる自他覚症状の有無等から判断して、当該検査の必要性がある場合に限られるが、診療録記録上、当該検査の必要性の根拠に乏しい例が認められた(自主返還の対象)。(1)


【血漿蛋白免疫学的検査】

◇ 「アレルギー性鼻炎」(※)の傷病名で特異的IgE精密▲▲種類測定が施行されているが、診療録記載から判断して、この検査の必要性の根拠が乏しい例が認められた。今後は、アレルギー性関連の家族歴、既往歴、症状発現状況、生活環境、診察等に基づき、当該検査の必要性に関する診療録記載を行うこと。(12)

 ※その他に指摘された傷病名

   1)「蕁麻疹」

   2)「アトピー性皮膚炎」

   3)「気管支喘息」


【微生物学的検査】

◇ 細菌薬剤感受性検査料の算定は、細菌培養同定検査で病原性細菌が陽性である場合のみ算定可能である。両者の自動算定疑い例が認められた。(1)

◇ 以下の例において診療録の記載から判断して検査の必要性の根拠が乏しい例が認められたので、今後は、当該検査の必要性の根拠及び検査結果の治療上反映等の診療録記録を残すこと。

(例)4カ月連続して、初診として急性上気道感染関連の傷病名を複数付け(急性鼻炎、咽頭炎、喉頭炎、副鼻腔炎等)、細菌培養検査料(気道)と細菌薬剤感受性検査料を4カ月連続で算定していた。(1)


【精密眼底検査】

◇ 精密眼底検査の算定に関して、同月内に複数回検査を施行する場合は、診療録にその必要性について記載を残すこと。(2)

・連月2回精密眼底検査を算定した例において、眼底検査所見の乏しい例が散見された(自主返還の対象)。(1)

◇ 精密眼底検査料に関して、診療録から判断して必要性の根拠が乏しい同月内に複数回算定していた例が認められた(自主返還の対象)。(1)

◇ (両)眼底検査において、診療録の記載からその検査回数の必要性の根拠が乏しい例が散見された(自主返還の対象)。(1)

◇ 精密眼底検査の所見記載において、単に「n.p」の記載のみではなく、眼底乳頭部、眼底黄斑部、網膜血管等の項目別所見を具体的に記載すること。(1)

◇ 精密眼底検査の結果記録(診療録)において、病名の診断根拠となるべき、眼底乳頭部病変、黄斑部病変、網膜血管病変等の画像所見を具体的に診療録記載すること。(2)

◇ 若年者の前眼部傷病名(近視、結膜炎等)患者で、再診日に精密眼底検査を算定する場合は、その検査の必要性に関する診療録記載を残すこと。(1)

◇ 「うっ血乳頭の疑い」「眼底出血」等の傷病名にて、再診時に精密眼底(両)検査料を算定しているが、診療録に眼底異常所見の記載が全くなく、当該検査の必要性の根拠が全く乏しい例が認められた(自主返還の対象)。(1)


【蛍光眼底法カメラ撮影と眼底カメラ検査料】

◇ 同一日の蛍光眼底法カメラ撮影と眼底カメラ検査料の同時算定は、主たるもののみの検査料とすべきであるが、両者の同時算定が散見された(自主返還の対象)。(1)


【認知機能検査その他の心理検査】

◇ 医科診療報酬点数表のD285「認知機能検査その他の心理検査」の3(操作と処理が極めて複雑なもの)として450点を連月3回算定した患者の診療録を確認したところ、箱庭療法を参考とした臨床心理検査であった。

  医科診療報酬点数表による臨床心理・精神心理検査については、平成22年3月5日付保医発0305第1号通知「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」に示されている検査以外は算定できない(自主返還の対象)。(1)


(岐阜県保険医新聞2011年12月10日号)


第3回 医学管理料(後半)


 医学管理料の指摘事項が膨大なため今回は後半部分について。
 本欄は、あくまで岐阜事務所が指摘した事項であり、適正を欠く部分も見受けられるので参考程度にお目通しいただきたい。なお、指導を受けられた先生で指摘事項に納得がいかない場合には曖昧にすることなく、岐阜事務所に納得がいくまで説明を求めるか、保険医協会に相談いただきたい。

【凡例】

① 重複記載を避けるため、次の方法で掲載した。

 ア)「・」は◇の指摘事項の後に続く、指摘内容である。

 イ)文言が一部異なる程度の指摘事項にはその箇所に※を付け、異なる点を列挙した。

② 指摘事項末尾の( )内の数字は、当該指摘を受けた医療機関数である。


■医学管理料
【慢性維持透析患者外来医学管理料】

◇ 慢性維持透析患者外来医学管理料は、慢性維持透析患者について特定の検査結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に月1回算定でき、当該管理料に包括される検査以外の検体検査を算定することになっているが、診療録記載から判断して、検査の必要性の根拠が乏しいと考えられる包括外HbA1c検査料の算定が散見された(自主返還の対象)。(1)


【喘息治療管理料】

◇ 喘息治療管理料は算定要件として、ピークフローメーター、ピークフロー測定日記等を患者に提供し、計画的な治療管理を行う必要がある。ピークフローメーター、ピークフロー測定日記等の患者への提供が無く、当該管理料の算定が不可と判断される例が散見された(自主返還の対象)。(1)


【慢性疼痛疾患管理料】

◇ 慢性疼痛疾患管理料は、慢性疼痛に係る疾患を主病とする患者に対して、マッサージ又は器具等による療法を行った場合に算定できるが、マッサージ又は器具等による療法を行っていないため、当該管理料の算定が不可と判断される例が散見された。(自主返還の対象)。(1)


【耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料】

◇ 耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料の対象となる患者は、15歳未満の患者であって、発症から3カ月以上遷延しているか、若しくは当該管理料を算定する前の1年間において3回以上繰り返し発症している滲出性中耳炎の患者である。当該管理料の算定において、対象外の患者に対しての算定例が認められた(自主返還の対象)。(1)

◇ 耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料は、診療計画および指導内容の要点を診療録に記載する必要がある。当該管理料の算定日において、これらに関する診療録記載が無く、当該管理料算定が不可と判断される例が認められた(自主返還の対象)。(1)


【生活習慣病管理料】

◇ 生活習慣病療養計画書の各欄は、空欄を作らず、全ての欄をチェックした記載を残すこと。(1)


【手術前医学管理料】

◇ 手術前医学管理料は、手術の前に行われる定型的な検査・画像診断について、請求の簡素化等の観点から包括して評価したものである。スクリーニング検査として、HIV-1抗体価は当該医学管理料に包括されているので、HIV-1、2抗体検査料を出来高請求する場合は、輸血歴、HIV感染症を疑わせる自他覚症状の有無等から判断して、当該検査の必要性がある場合に限られる。この観点からHIV-1、2抗体検査料の出来高算定不可例が散見された(自主返還の対象)。(1)

◇ 手術前医学管理料に包括されている、感染症関連検査(梅毒脂質抗原、HBs抗原、HCV抗体価、HIV-1、2抗体価)を、当該医療機関の都合で、外注検査のため手術日に検査結果が間に合わないとの理由で手術1週間以上前に検査を施行しても、当該医学管理料との出来高請求はできない。これらの観点から、感染症関連検査料算定不可例が散見された(自主返還の対象)。(1)


【診療情報提供料(Ⅰ)】

◇ 診療情報提供料(Ⅰ)に係わる紹介状の文書は、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成22年3月5日付保医発第0305001号)の別紙様式11に準じて作成し、その文書の記載においては、家族歴、既往歴、アレルギーの有無などの各欄で空白欄を作らず、特記事項が無い場合は、「なし」と記載すること。(18)

・ 診療情報提供料(Ⅰ)を算定した診療情報提供書において、既往歴等の記載がないものが認められた。(1)

・ 診療情報提供料(Ⅰ)を算定した診療情報提供書において、記載の漏れが認められた。(1)


【薬剤情報提供料】

◇ 薬剤情報提供料は、処方した薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書により提供した場合に算定できる。患者に交付している文書について、副作用及び相互作用に係る記載が無い。(1)


【後期高齢者診療料】

◇ 後期高齢者診療計画書の記載において、緊急時の連絡先・不在時の対応法の欄の記入漏れが認められた。(1)


(岐阜県保険医新聞2011年11月10日号)


第2回 医学管理料(前半)


 医学管理料の指摘事項が膨大なため今回は前半部分について。
 個別指導で指摘された事項に納得がいかない場合は曖昧にせず、岐阜事務所に納得がいくまで説明を求めるか、保険医協会に相談いただきたい。

【凡例】

① 重複記載を避けるため、次の方法で掲載した。

 ア)「・」は◇の指摘事項の後に続く、指摘内容である。

 イ)文言が一部異なる程度の指摘事項にはその箇所に※を付け、異なる点を列挙した。

② 指摘事項末尾の( )内の数字は、当該指摘を受けた医療機関数である。


■医学管理料
【特定疾患療養管理料】

◇ 特定疾患療養管理料は、生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾患を主病とする患者について、治療計画に基づき服薬、運動、栄養等の療養上の管理を行った場合に算定し、管理内容の要点を診療録に記載する必要がある。(41)

・ 当該管理料の算定日において、主病に関する管理内容の要点等の診療録記載が無く、当該管理料算定が不可と判断される例が認められた(自主返還の対象)。(20)

・ これら診療録への記載の不備例が認められた。(13)

・ 当該患者の治療計画の記載が無く、さらに当該管理料算定日において、「減脂」「減塩」「バランス食」等の記載のみで、具体的な管理内容の要点記載が無く、当該管理料の算定が不可と判断される例が散見された(自主返還の対象)。(1)

・ 主病とは当該患者の全身的な医学管理の中心となっている疾患を指しており、「卵巣機能不全」・「子宮内膜症」・「抹消血管循環障害」等の特定疾患対象外の患者に当該管理料を算定している例が散見された(自主返還の対象)。(1)

・ 厚生労働大臣が別に定める対象疾患以外の患者に対して、特定疾患療養管理料を算定している例が認められた(自主返還の対象)。(2)

・ 主病とは、当該患者の全身的な医学管理の中心となっている疾患を指しており、実際に特定疾患を中心とした管理が行われていない場合は、当該管理料の算定が不可と判断される。これらの観点から、特定疾患療養管理料の算定が不適切な症例が散見された(自主返還の対象)。(4)

◇ 診療録の記載では当該管理料を算定した記載が無い例が認められた(自主返還の対象)。(1)


【特定薬剤治療管理料】

◇ 特定薬剤治療管理料は算定要件として、薬剤の血中濃度及び治療計画の要点を診療録に記載する必要がある。(8)

・ これらの診療録への記載不備例が認められた。(3)

・ 当該治療管理料の算定日において、これらの診療録記載が無く、当該治療管理料の算定が不可と判断される例が認められた(自主返還の対象)。(5)


【悪性腫瘍特異物質治療管理料】

◇ 悪性腫瘍特異物質治療管理料は算定要件として、腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点を診療録に記載する必要がある。当該管理料の算定日において、これらの診療録記載が無い例が認められた(自主返還の対象)。(9)


【てんかん指導料】

◇ てんかん指導料は算定要件として、診療計画及び診療内容の要点を診療録に記載する必要がある。(2)

・ これらの診療録への記載不備例が認められた。(1)

・ 当該指導管理料の算定日において、これらに関する診療録記載が欠けているため、当該指導料の算定が不可と判断される例が認められた(自主返還の対象)。(1)


【難病外来指導管理料】

◇ 難病外来指導管理料は算定要件として、診療計画及び診療内容の要点を診療録に記載する必要がある。これらの診療録への記載不備例が認められた。(1)


【皮膚科特定疾患指導管理料】

◇ 皮膚科特定疾患指導管理料は算定要件として、診療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する必要がある。(4)

・ これらに関する診療録記載の不備例(※)が認められた。(3)

※ 不備例1)診療計画、指導内容の具体性が乏しい等

  不備例2)診療計画記載が無い、記載文字が判読しがたい、記号の使用で意味不詳等

・ 当該指導管理料の算定日において、指導内容の要点等の診療録記載がなく、当該指導管理料算定が不可と判断される例が散見された(自主返還の対象)。(1)


【外来栄養食事指導料】

◇ 外来栄養食事指導料の算定時には、管理栄養士への指示事項として、少なくとも熱量・熱量構成・蛋白質量・脂質量・脂質構成について具体的に指示する必要がある。(5)

・ これらの指示事項に不備例が認められた。(1)

・ これらに関する診療録記載が無いため、当該指導料の算定が不可と判断される例が認められた(自主返還の対象)。(3)

・ ①これらの診療録記載が無い、②毎月、外来栄養食事指導料を算定している慢性維持透析患者に対し、医師からの管理栄養士に対する指示は、年1回(患者の症状等変化があった場合はその都度)しか行われていない。①、②により、算定不可と判断される例が散見された(自主返還の対象)。(1)


【在宅療養指導料】

◇ 在宅療養指導料は、①医師の指示に基づき、保健師又は看護師が個別に30分以上療養上の指導を行い、②当該保険医療機関を受診した際に算定できるものであり、患家において行った場合は算定できない。この算定要件を満たしていない例が認められた(自主返還の対象)。(1)

◇ 在宅療養指導料の算定要件として、①医師の指示に基づき、保健師又は看護師が個別に30分以上療養上の指導を行うこと、②医師は診療録に保健師又は看護師への指示事項を記載することが必要である。これらの算定要件から判断して当該指導料の算定が不可と判断される例が認められた(自主返還の対象)。(1)


(岐阜県保険医新聞2011年10月10日号)


第1回 初・再診料、入院料


 特定疾患療養管理料のカルテ記載に関する指摘が最も多い点は例年と変わりないが、2010年度の個別指導では、これまで指摘されることのなかった点数が指摘の対象とされ(特に医学管理料や在宅医療で多くみられる)、また具体的な検査名を挙げて過剰、不適切とするなど、これまでよりも突っ込んだ指摘が行われている。

【凡例】

① 重複記載を避けるため、次の方法で掲載した。

 ア)「・」は◇の指摘事項の後に続く、指摘内容である。

 イ)文言が一部異なる程度の指摘事項にはその箇所に※を付け、異なる点を列挙した。

② 指摘事項末尾の( )内の数字は、当該指摘を受けた医療機関数である。


■初・再診料
【再診料の時間外加算】

◇ 再診料に対する時間外加算は、主として、保険医療機関が診療応需の態勢を解いた後において、急患等やむを得ない事由により診療を求められた場合、再び診療を行う態勢を準備しなければならないことを考慮し設けられたものであるが、算定要件を満たさない不適切な例が認められた(自主返還の対象)。(1)


【再診料等の休日加算】

◇ 再診料等の休日加算の算定は、急患等やむを得ない事由により診療を求められた場合のみ算定が可能である。患者の実診療日数が1週間以上連続し休日診療が予定されていたと判断される例が散見された(自主返還の対象)。(1)


【夜間・早朝等加算】

◇ 夜間・早朝等加算の算定において、受付時間の診療録記載は必須である。受付時間の記載が無く、当該加算の算定が不可である例が散見された(自主返還の対象)。(2)


【外来管理加算】

◇ 外来管理加算の算定においては、患者からの聴取事項や診察所見の要点及び外来管理加算の時間要件に該当する旨(5分以上)等の診療録記載が必要である。(5)

・ 当該加算の算定日において、これらに関する診療録記載が欠けているため、当該加算の算定が不可と判断される例が散見された(自主返還の対象)。(2)

・ これらに関する診療録記載の不備が散見された。(3)

◇ 外来管理加算の算定においては、患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載する必要がある。(6)

・ これらに関する診療録記載の不備が散見された。(2)

・ 当該加算の算定日において、これらに関する診療録記載が欠けているため、当該加算の算定が不可と判断される例が認められた(自主返還の対象)。(4)


■入 院 料
【入院基本料】

◇ 入院基本料を算定する患者に対し、患者の負担(患者の負担によらない家族等の付添を含む)による付添は、治療に対する理解が困難な小児患者や知的障害を有する患者以外求めてはならないが、患者に交付している文書から付添を求めていることが確認された。(1)

◇ 入院する患者に対し、手技料等に包括されている材料やサービスに関する費用については患者に求めてはならないが、体温計やトイレットペーパー、脱脂綿などを入院時の患者の持ち物として求めていることが、患者に交付する文書により確認された。(1)


【救急医療管理加算】

◇ 救急医療管理加算の算定において、当該加算が算定された患者の診療録から判断して、当該加算の根拠(緊急入院が必要な重症患者)が乏しいと考えられる患者が認められた。(2)(うち1件は自主返還の対象)


【入院申込書】

◇ 差額ベッドにかかる入院申込書については、申込書に金額を示した様式とすること。(1)


【入院診療計画書】

◇ 入院診療計画書は、入院の際に、医師、看護師、その他の関係職種が共同して当該計画書を作成して、患者に交付するとともに、その写しを診療録に添付しなければならない。(5)

・ 看護計画欄に担当看護師の記載が無い例が認められたので、今後改善すること。(2)

・ これに関連して、①看護計画欄に担当看護師の記載が無い、②担当看護師の署名が無い例が認められた。(3)


【差額ベッド】

◇ 特別の療養環境の提供の実施(変更)報告書の提出がされていないので、早急に提出すること。なお、特別療養環境室については、平成22年3月26日付保医発0326第6号「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の通知に示された基準を満たしていない例が認められた。(1)


【病 衣】

◇ 入院を予定している患者に対して配布している入院案内の病衣に係る説明文について、病院側で用意している病衣の一律使用を求めている内容であるため、早急に改善すること。(1)


【療養の給付と直接関係ないサービス】

◇ 「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」(平成20年5月8日付保医発第0508001号)により、手技料等に包括されている材料やサービス費用とされている以下の費用について、患者から実費を徴収していると認められたので、早急に改善すること。

ア.電気代、イ.布団等の汚染に係る費用(1)


(岐阜県保険医新聞2011年9月10日号)