|
|
| 医科診療報酬改定-大病院に手厚く、開業医に厳しい |
今回の診療報酬改定に多くの開業医は唖然としガッカリしている。
あの選挙公約、マニフェストは何処に行ったのか。
2009年総選挙で民主党は“総医療費対GDP比をOECD加盟国平均まで引き上げる”ことを明記して大勝利を収めた。
しかし政権発足後に医療費削減を求める財界や財務省の大攻勢にさらされ、政府の発表でも総枠0.19%の引き上げに留まった。しかも“後発品のある先発品の追加引き下げ”で捻出された600億円が計算に盛り込まれておらず、真の改定率は100億円増加の0.03%にしかならないことが判明した。雀の涙も出なかった改定率、と言われている。
今回の改定の特徴は大病院に手厚く、地域に密着した開業医に厳しい内容である。
大病院の手術点数は外保連試算を受け入れて大幅にアップしたが、診療所での汎用手術点数は据え置かれた。大病院の急性期入院などは優遇された。しかしこれが過労の病院勤務医待遇改善に繋がるのか保証はない。単なる赤字病院の補填に終わるかもしれない。
開業医は勤務医より収入が多いとの風評を根拠に再診料の2点引き下げだけでなく、耳鼻科や眼科の汎用点数が下がり、アナログでのエックス線撮影料が引き下げ、一般的な検体検査も多くが引き下げられた。再診料は医師の基礎的な技術料である。こんな傾向が定着すれば地域医療の最前線にある診療所や中小病院も医療崩壊する可能性がある。
明細書の発行に対する加算1点が付けられたが、医療現場に大きな混乱をもたらすことになる。複雑で説明困難な診療報酬体系の明細書は約8000項目に及ぶ専門用語の羅列で、これを患者さんは多分理解出来ない。患者と医療機関の信頼関係を破壊する危険がある。明細書が必要なら、保険者の責任で提供すべきものである。
地域医療貢献加算3点が設定されたが、24時間深夜も休日も電話対応の責任がある。高点数で優遇される24時間対応の在宅療養支援診療所を多くの医療機関が申請していない。地域医療貢献加算僅か3点に、過労死覚悟で受け入れる診療所は多くないと思われる。
日本は低い医療費で世界一の長寿国、医療達成レベルは最高水準だとWHOは評価している。これは世界に類を見ない医療従事者の過重労働が支えている。
先進国では窓口負担は無いか小額定額制が常識であるが、日本では高額の自己負担が障害となって受診出来ない人達が出てきている。
毎年2200億円の社会保障費削減を阻止できた事や、外来管理加算の時間要件廃止が実現したのは運動の成果である。
保険医協会は3月の理事会で明細書発行義務化に反対する声明を出した。患者さんの窓口負担率を軽減すると同時に、GDPに占める総医療費の比率を、せめてOECD加盟国平均まで早急に引き上げることを求めて運動する必要がある。(2010-04) |
|
|