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保険医新聞5月号主張

歯科診療報酬改定-経営悪化の歯止めには程遠い
 2010年度歯科診療報酬改定は、診療報酬本体で2.09%の引き上げとなった。初診・再診料の引き上げ、乳幼児の100分の50加算の5歳未満から6歳未満への変更、う蝕処置・歯周治療の引き上げ、病院歯科に関連する手術の大幅な引き上げ、在宅医療・障害者医療に対する加算点数の配分などが行われた。その一方で、スタディモデルの包括化、歯科疾患管理料の1回目の点数引き下げ、一部の歯周治療の引き下げ、新製有床義歯管理料の2回目の廃止というように、財源捻出のためのマイナス部分も多く見られる。また歯科訪問診療料では、20分という時間要件の新設や「同一建物」に居住する患者への点数引き下げなど新たな問題が生じている。新たに歯科技工士に対する評価として、有床義歯修理で加算点数がわずかながら設けられたが、多くの歯科技工士が歯科医院には勤務しておらず独立して開業していることから、その恩恵を受けることはない。
 今次改定の問題点は、①算定要件としての文書提供の内容が以前より増加し、カルテ記載も多くなり、治療に専念できない状態である、③歯科技工加算・手術時歯根面レーザー応用加算など新設項目の多くに施設基準での規制が設けられている、④1口腔単位での歯科治療を推進する方向で以前よりも増して患者の望む治療や、歯科医師の裁量権を無視したシステムを押し付けている、⑤歯科診療報酬改定の財源が、病院歯科と在宅歯科医療に偏っており多くの患者と向き合う開業歯科医には還元されない、ことなどである。これまでの長きに渡る歯科診療報酬の引き下げで痛めつけられた、歯科医院の経営悪化を食い止めるにはあまりにも少なすぎる。
 国や厚生労働省に対して、国民に必要な歯科医療が適切に評価されるようさらなる改定を求めたい。

(2010-05)