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2010.3.6

声 明

「明細書の発行は保険者の責任で行い

医療機関への義務化は即刻撤回せよ」


2010年3月6日
岐阜県保険医協会 2010年度第1回定例理事会

 2月12日の中医協総会において診療報酬の改定内容が決定し、医療の透明化や患者への情報提供の観点から、療養担当規則に明細書の発行義務化が盛り込まれ、4月から実施されることになった。しかし、次の認識を欠いた一方的な義務化だと言わざるを得ない。
 まず、明細書の発行は保険者の責任において行われるべきである。健康保険法等各法では、被保険者に対する療養の給付は保険者がその義務を負うと定めているが、実質的には、保険者に代わり保険契約を結んだ医療機関が被保険者(患者)に対して療養の給付を行っている。そのため、医療機関は毎月、診療報酬明細書により患者に行った医療行為の対価(診療報酬)を保険者に請求し、その支払いを受けるのである。よって、医療機関が行うべきは、患者に療養の給付(治療や治療方針の説明等)を行うこと、療養の給付の都度窓口にて患者から一部負担金を徴収し領収証を発行すること、保険者に診療報酬明細書による請求を行うことである。
 もちろん、保険医は患者との相互関係を何よりも大切にしており、患者から求めがあれば、医療費の明細を説明することは当然であるが、それと明細書発行義務化とは別問題である。明細書を発行せよと言うのであれば、医療機関から請求された診療報酬明細書に基づき保険者が行うべきであり、医療機関に義務化するのは筋違いである。
 さらに、明細書は、医療機関が月単位で保険者に請求するという性格上、診療の都度発行しても、暫定的で正確なものではない。診療報酬の項目には、月の何回目の受診かによって、前に算定した項目を取り消して、新たな項目を算定するケースが多々あるためである。また、診療報酬は約8000もの項目から成る、専門用語の集まりであり、それらを羅列した明細書を患者が十分に理解できるか疑問である。中医協の検証部会では、明細書が不要だとの回答が九割を占める結果が示されており、明細書は受け取ったものの捨ててしまうという事態は目に見えている。
 以上から、我々は、明細書の発行は保険者の責任において行うべきであり、医療機関における明細書の発行義務化は即刻撤回するよう強く求めるものである。