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2010.10.13


「警察介入に断固反対」多剤耐性菌感染で声明


 帝京大学医学部附属病院での多剤耐性菌による院内感染で警察が任意捜査を始めたことを受け、協会は10月13日の定例理事会において「警察介入に断固反対する」との声明を決議、厚生労働大臣をはじめ県選出の国会議員、マスコミなど関係方面に送付した。
 声明は、多剤耐性菌による院内感染は自然界の不可抗力であり、警察介入は原因究明を阻害し、医療従事者を萎縮させるため断固反対としている。また、関係機関の役割にも言及し、厚生労働省には院内感染対策に要する診療報酬の引き上げ、感染症の専門家育成を、マスコミには報道のあり方の検討に加え、医療をともに良くする協力を求めた(別掲)
 声明の内容は15日の岐阜新聞朝刊が報道した。


声明「多剤耐性菌による院内感染は自然界の不可抗力。
業務上過失致死容疑で警察が介入すべきでない」


2010年10月13日
岐阜県保険医協会
会長 平田正士
病院委員会委員長 野尻 眞

 9月6日、帝京大学医学部附属病院で多剤耐性菌による院内感染が発生した問題を受け、警視庁が、業務上過失致死容疑で任意捜査を始めた。
 院内感染が発生した場合、我々医療従事者の使命は原因究明と経験を通した適切な対処である。そして、そこから得られた知見を医療従事者間で共有し、再発防止に努めることである。
 それを、行政の調査を待つこともなく、警察が介入したことに断固反対する。昨年発生した国レベルの新型インフルエンザの拡大と死亡者続出に警察が厚生労働省を取り調べたであろうか。
 こうしたやり方により、原因究明が阻害されるのはもちろん、医療従事者が萎縮し、良心的な医療が妨げられるのは必至である。最終的に不利益を被るのは患者・国民であることは福島県立大野病院事件からも明らかである。
 また、多剤耐性菌による院内感染は医療が高度化したことによる副次的な要素が強く、今後も根絶は不可能であろう。日本は諸外国に比べて感染症の専門家が余りにも少なく、院内感染対策の診療報酬が余りにも低い点も見落としてはならない。監督官庁におかれては、早急な対策を講じられたい。
 マスコミ各位におかれても、いたずらに患者・国民に誤解を与えるような報道は謹んでいただき、我々医療従事者と共に、日本の医療を良くする協力をお願いしたい。

以上