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東海北陸厚生局と懇談
〝健保法、大綱が拠り所〟行政手続法の認識は欠如

 愛知、三重、静岡、石川、富山、岐阜の6県保険医協会は3月24日、昨年の11月8日に提出した「指導・監査の改善に関する要望」に基づいて東海北陸厚生局と懇談した。
 厚生局は要望に対して、「健康保険法、指導大綱に基づき懇切丁寧に行う」との返答に終始し、行政手続法や個人情報保護法など関連法規の遵守については明確な回答を避けた。

 東海北陸厚生局との懇談は2009年6月に初めて行われ、今回で2回目。厚生局からは萩原医療課長、友田管理課長、津坂指導監査課長ら6人が、協会からは役員、事務局ら18人(岐阜協会からは大島副会長、高木理事、事務局2人)が出席した。
 懇談は、最初に双方が挨拶、自己紹介を行い、続いて要望項目に対して萩原医療課長が回答(別掲)、これに対して質問、意見を出す形で進められた。
 行政手続法の遵守については、「行政手続法と健康保険法の意味合いは若干異なるが、健康保険法と指導大綱に基づく懇切丁寧という部分と、行政手続法に関わる部分についてはそれほど差がない」と述べ、現行の指導の中で行政手続法の趣旨は活かされているとした。協会側からは「行政手続法を知らずに業務を行っているのであれば、国家公務員法に抵触する。また、昨年7月の保団連と厚労省との交渉において個人情報保護法に抵触しないとする解釈を突然変更したが、これは根拠なき法律を強要することにあたり、偽計業務妨害罪や公務員職権濫用罪に該当する。こうしたことをよく認識すべき」と指摘した。
 高点数を選定基準とする集団的個別指導については、恣意的な運用が行われないための基準と回答したのみで、合理的事由の説明はなかった。協会側からは「高点数医療機関とそれ以外の医療機関を区別して指導することは差別であり、憲法14条に抵触する。もし高点数の指導を続けるのであれば、そうせざるを得ない理由を開示すべきだ」と追及した。
 高点数による個別指導については、指導大綱に基づいて行っているとの姿勢を崩さず、協会側から「個別指導の件数が都道府県によって大きく異なるがこれも差別ではないか」「高点数の方が実際に問題が多いのか。低点数でも問題がある人がいるのではないか。高点数の人に問題がないのにルールを替えないのは怠慢ではないか」と訴えた。
 保険医療機関・保険医の一律5年の取消期間については、「こういう規則なので我々は淡々と進めるしかない。感情を挟むと判断できなくなる」と回答。これに対して協会側は「悪質性や金額の多寡などを加味する必要がある。明確な基準を作成して運用してほしい」と要望した。
 最後に、今後も懇談を継続して行うこと、各県事務所とも懇談が行えるよう厚生局として働きかけることをお願いして閉会した。

(岐阜県保険医新聞2011年4月10日号)


「指導・監査改善に関する要望」に対する厚生局の回答

要望1 指導は行政手続法に則り懇切丁寧に実施すること。
(回答)現在も懇切丁寧に行っており、今後も健康保険法、指導大綱に基づいて懇切丁寧に行う。

要望2 高点数を選定基準とする集団的個別指導は廃止すること。
(回答)
高点数は集団的個別指導の選定が恣意的にならないように設けられた基準。我々ではその仕組みを変更できない。

要望3 1件当たりの平均点数が高いことを理由に保険医療機関を個別指導の選定対象としないこと。個別指導の実施通知は1カ月前に選定理由を明記して行うこと。
(回答)
指導大綱の選定基準に基づいて行っている。3週間前を目途に行う実施通知は妥当適切な期間だと認識している。我々の判断で1カ月前にはできない。

要望4 指導当日の資料等の持参物については、指導に直接関わる最低限度のものとすること。
(回答)
共同指導の通知に基づいて行っている。準備すべき持参物はなるべく必要最低限でと考えており、そうなっているものと認識している。

要望5 個別指導の対象となるレセプトの患者名は指導日の1週間前には指導通知と同様の方法で通知すること。
(回答)
共同指導に準じて行っている。我々は通知に基づいて的確に行うだけである。

要望6 個別指導における自主返還は当日指摘のあったレセプト分に限ること。
(回答)
指導の結果算定できないと判明した項目は、1年以上遡って自主返還を求めている。

要望7 新規の個別指導は開業後6カ月以内に行うこと。また、より教育的観点で行うべき新規指定の個別指導は自主返還を求めないこと。
(回答)
実施時期も自主返還も通知に基づいて行っている。

要望8 診療報酬改定時の説明会開催にあたっては、改定内容を分かりすく説明するよう内容を充実し、診療時間と重ならない時間設定にするなどの改善を行うこと。
(回答)
来年も行うが、診療時間への影響も考慮して行う必要があると考えている。

要望9 医療費抑制を目的として指導大綱の見直し、医療指導監査業務等実施要領の作成をすすめることには反対する。進行状況やスケジュールなど情報を公開すること。
(回答)
指導・監査は保険診療の質的向上、適正化を図る目的で行っている。進捗状況等は答えることがない。

要望10 保険医療機関等の取消期間は2年を限度とすること。
(回答)
我々では期間を変えられない。皆さんの声は本省に上がっている。