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保険医と国民医療を守る運動を更に進めよう
第42回定期総会
 協会は2月24日、ホテルグランヴェール岐山で第42回定期総会を開催した。
 協会は、研究会・研修会など各種行事の開催、機関紙をはじめ様々な情報提供、会員の生活を守る共済制度など協会の日常活動を基本としつつ請願署名など情勢に応え医療を守る運動を進めている。それらの成果を反映し、和やかな中にも積極的な雰囲気のもと新年度の活動方針を決定することができた。

 総会は河合副会長の司会で進められ、最初に2018年度に亡くなられた10人の会員に黙祷を捧げた。会長挨拶、来賓挨拶、祝電・メッセージ披露を行い議事に移った。
 議長は森芳郎先生が務めた。第一号議案は篠田副会長が2018年度の活動の成果を報告し2019年度の活動方針を提案、第二号議案2018年度決算を柴田副会長が、会計監査報告を井口監事が、第三号議案2019年度予算も柴田副会長が報告し、それぞれ承認された。
 第四号議案として竹田副会長が患者負担増反対などを訴える決議を提案し、採択された。
 総会議事の後、記念講演、懇親会を行い、定期総会を終了した。
 なお議事終了後の空き時間に会員の自由発言として、松井英介先生が「乳歯保存ネットワーク・はは測定所」について、竹田副会長が「名古屋小児がん基金」について、それぞれ紹介し協力を訴えた。



記念講演 「医療事故調査制度のその後と問題点」
医療事故調査制度の正しい理解と正しく運用するために


北浜法律事務所
医師・弁護士 長谷部圭司
 医師であり弁護士でもある北浜法律事務所の長谷部圭司先生を招き、医療事故調査制度だけでなく医療事故全般について幅広く解説していただいた。
 はじめに医療トラブルの実例を紹介。その後、死亡診断書と死体検案書の発行の違いについて解説。診察中の病気で亡くなられた場合は、24時間以内以降に関係なく死亡診断書であり、24時間以内の制約は無診療での診断書発行の基準であり、24時間以降は往診での判断である。
 医療事故調査制度は、WHOドラフトガイドラインでは非懲罰性、秘匿性、独立性のある「学習を目的としたシステム」であり、責任追及を目的としたものでなく、医療者を特定しない方向であり、第三者機関の調査結果を警察や行政に届けるものではない。あくまでも、提供した医療に起因した死亡(死産)において、予期しなかったものを届け出る制度であり、療養・転倒・転落・誤飲・身体拘束などで起こったものは医療行為でないため対象外である。医療事故が起こった場合にセンターに届けるかどうかは、病院の管理者が判断すべきで、第三者が責任追及する場ではない。第三者委員会は決して外部委員でないといけないわけではないので、外部委員を入れる時は慎重にするべきである。
 問題点は①個人責任の追及②黙秘権侵害③第三者機関・外部専門家の危険性④要件の問題(事故報告が少ない)である。法律で定められているものであり、行わないというのは問題で監査の時に指摘される。重要なのは①もめていない事例は基本行わない②調査して問題のない事例を行う③明らかな過失の場合行う④もめていて過失がありそうな事例は慎重にと締めくくられた。(副会長 永田正和)

(岐阜県保険医新聞2019年3月10日号)