



上から橋本勉議員、阿知波吉信議員、笠原多見子議員に一体改革反対を要請する西・篠田副会長。パレード解散地点の常磐橋公園で住江保団連会長と
|
臨時国会初日の10月20日、協会は国会行動を実施。「患者負担軽減、診療報酬、医業税制等に関する要望書」を野田首相、小宮山厚労相、安住財務相のほか、県選出の衆・参国会議員15氏に提出。税と社会保障の一体改革反対、患者負担軽減、診療報酬引き上げなどを要請した。
集会後には、日比谷野外音楽堂での「いのちまもる10・20国民集会」に参加した。
当日の行動には篠田・西副会長、事務局3人が参加、午前10時半より午後2時過ぎまで、議員会館の県選出国会議員を陳情した。衆議院では橋本勉議員(岐阜2区)、阿知波吉信議員(岐阜5区)、笠原多見子議員(東海ブロック比例)と直接面談でき、他は秘書を通じて要請した。
橋本議員との面談では、協会より受診時定額負担金による受診抑制や高額療養費制度見直しも開業医にメリットはないとして、国費による医療費総枠拡大を要請。議員も、医療は貧富に関係なく公的なもので守るべきとし、財源自体の拡大に賛同した。また他医療機関受診問題にも理解を示し、県唯一の厚生労働委員として、医療問題には積極的に取り組みたいと述べた。
阿知波議員とは、受診時定額負担制度について意見交換をし、協会から「病人から高額療養費引下げの財源を捻出するやり方は皆保険の理念に反する行いだ。同党の櫻井充議員が、健保組合の保険料率を例えば協会けんぽの保険料率に合わせるべきだと提案しているが、財源捻出にはいろいろな方法があるのではないか」と理解を求めた。
笠原議員とは、TPPについて意見交換。笠原氏は「反対派に名を連ねており、TPPには断固反対だ。マスコミは農業の問題としてしか取り上げないが、医療、共済、金融など広範囲に波及する問題」と述べ、国民に情報を開示する必要性を強調した。
なお、「安心して受けられる医療の実現を求める請願署名」1,587筆は橋本議員を通じて今国会に提出することとなり、「患者負担軽減、診療報酬、医業税制等に関する要望書」も61人から協力が寄せられている。署名は国会行動以降も協会に寄せられており、改めて国会に提出する予定である。ご協力いただいた会員各位には紙上を借りて御礼申し上げる。
国会行動終了後には、東京・日比谷野外音楽堂での「いのちまもる10・20国民集会」に参加。全国からの参加者5,500人が、「いのちまもる」と書かれたタオルを掲げて都内をパレードした。
一体改革の審議 佳境に
会員署名、患者署名に引き続き協力を
秋から冬にかけて社会保障・税の一体改革の審議、法案作りが佳境となる。政府は集中討議を行うため社会保障改革推進本部を立ち上げた。民主党も一体改革調査会を発足させ、党税制調査会と合同総会を開くなど消費税増税を柱に一体改革を進める具体案を検討している。社会保障審議会、中医協も年金・健康保険制度、診療報酬・介護報酬改定など協議を進めている。
受診時定額負担に再検討の動き
関心の高い受診時定額負担については、衆議院厚生労働委員会で自民党議員から「高額療養費見直し財源をなぜ患者に求めるのか」と反対意見が出され、小宮山厚労大臣は「与党や国民から心配されている。検討したい」と回答した。これは、保団連・協会の運動や日本医師会、日本歯科医師会も参加する国民医療推進協議会の署名運動など世論の反映といえ、撤回に向けた運動を更に強めなければならない。
ただし「受診時定額負担を撤回した場合、高額療養費拡充の予算はどうするか」と議論されているのは問題で、民主党の厚生労働部門会議医療・介護WTでは、その場合「外来受診の適正化」などで財源を作るという意見が出されている。「外来受診の適正化(削減)」は一体改革成案の中で重点効率化項目として既に挙げられており、5%カットというものである。それを更に削減するというのか。無駄な受診を排除するというが、受診抑制はすでに深刻化している。日本の国民皆保険の目標はいつでも、誰でも、どこでも安心して医療にかかれることであり、我々は、病気の早期発見、早期治療に努力してきた。医療の根本に関わる大問題である。
受診時定額負担は必ず撤回させなければならない。しかし受診時定額負担だけが問題なのではない。原則財政中立で消費税増税との抱き合わせの社会保障と税の一体改革は日本の社会保障を大きく変え、国民生活に負担を強いるものである。TPPの議論で「国民皆保険を守れ」の主張がクローズアップされており、医療について広く議論できるチャンスである。
これまでに寄せられた請願署名、会員署名は10月20日の国会行動で提出したが、引き続き協力をお願いしたい。また、11月20日には医師、歯科医師だけで1,000人、その他を含め3,000人規模の集会を開き、震災復興と医療崩壊阻止を訴えるドクターズ・デモンストレーションが行われる。協会はこれへの賛同と参加を呼びかける案内を会員に送付した。こちらもぜひ多数のご協力をお願いする。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
「患者負担軽減、診療報酬、医業税制等に関する要望書」に 寄せられた「私の要望」
会員署名には、「私の要望」として、患者負担軽減や一体改革反対、診療報酬改善などを求める声が寄せられた。以下に内容を紹介します。
【医科】
▼診療をしていると、若い人とご老人において、明らかに診療費が高いことで受診を控える方が多いと感じます。窓口負担の軽減を必要と感じます。
▼一体改革成案は医療の原点を潰そうという行為で、安心して医療を受けられなくなります。まず改革ありきで国民は苦い思いを沢山味わっています。
▼日本の窓口負担の多さは世界の中で異常です。更に、通院のたびに、定額負担追加の計画には断固反対します。
▼特に、追加定額負担は許されるべきものではない。
▼患者負担を中止してほしい。
▼消費税を医療者が負担するのはどう考えても理不尽です。
▼便乗増税反対、阪神大震災後増税なし、それぞれ補償がなかった。
▼外来での話し合いがしやすくなるように再診料を考えて下さい。
▼「5分間ルール」や「地域医療貢献」の加算は、一見シロウト受けしそうな改定で、無意味だ。また医療者には、全く「改善」が見受けられません。外来患者を制限する「追加定額負担」は、アクセスを抑える目的で行うもので、絶対反対します。医療を良くしていくための改定にもっと智恵を出して下さい。
▼ジェネリック医薬品の使用を推進するのをやめてもらいたい。医療の質と安全の低下を招いています。
▼予防医学、保健指導にも力を入れていけるように、制度を変えてください。
▼貧富に差なく、いつでも、どこでも適正な医療を受けられるように!
▼医療の再生は日本の再生になる。
【歯科】
▼医科、歯科再診料、同額に引き上げる。
▼歯科の医療機関では現在の診療報酬における保険点数では経営が成り立ちません。新しい設備もまた人件費も充分に確保は出来ません。本当に大変な状況に置かれています。
▼追加定額負担は2002年健康保険法改定時の「3割負担を限度とする」に反しています。これ以上の負担は国民生活に支障をきたし受診抑制にもつながります。
▼常に国民の健康について考えている私達が雑多な心配をしなくて良い環境で仕事ができる様にしてもらいたい。
(岐阜県保険医新聞2011年11月10日号)
|