「開業医のための摂食・嚥下リハビリテーション」
“老人の友”と呼ばれる肺炎を直接引き起こす摂食・嚥下障害は外部からの観察が難しく、その状態を正確に把握するためには精査が必要である。しかし、全ての患者に対して検査環境が整っているとは言いがたいのが現状であり、特に通院できない患者への対応を困難としている。
歯科医師は医師の約3分の1いるということである。摂食・嚥下障害を専門にしている歯科医師数は不明だが、この分野に対する有効な人的資源の一角は歯科医師にあるだろう。摂食・嚥下リハに対する知識をもつ歯科医師の存在は、歯科治療、口腔ケア、摂食・嚥下リハを一度に可能とする。
摂食・嚥下障害への対応の第1歩は職種間で共有すべき知識をもつことにあり、ここには問診・診察・スクリーニング・精査・そして訓練的な対応への知識にあわせて、一連の専門用語の理解が不可欠となる。そのような知識を一通り得た上で医療連携チームの編成を考えてゆくが、ここではtrans-disciplinary
team approach の概念を押さえておくことが大切である。これは、利用できる職種で必要な医療的介入を職種間で柔軟に手分けするといった考え方である。
その他職種間の調整のみならず患者の環境を考えて、病棟、病院、地域などそれぞれの形にあった協働作業を行えるように設定できるかどうかが、摂食・嚥下リハの成功の継続化を左右する。