Contents
Home 
会長挨拶 
保険医協会とは 
医療制度改善 
協会の主張 
診療報酬改定 
医科研究会 
歯科研究会 
その他の行事 
保団連の書籍 
役員一覧 
事務所ご案内 


「保険証廃止」に反対
安心できる医療・介護を
 協会・保団連では、政府の2024年秋の「保険証廃止」方針に対して、患者さんに「保険証廃止」「オンライン資格確認導入義務化」の問題点を知らせるリーフを作成し、活用を呼びかけている。政府の方針発表以降、協会にも保険証廃止に伴うマイナンバーカード取得でのカード管理の不安や、情報漏洩を不安視する市民の声が寄せられている。待合室で配布するなどご活用いただきたい。

すべての年代の受診状況や社会保障への願いを国に



 10月からは、75歳以上医療費窓口負担2割化が実施された。長引くコロナ禍、物価高騰、年金減額により、高齢者だけでなく、国民のくらし、健康への影響が危惧される。政府は2024年度の介護保険制度見直しや後期高齢者医療制度の保険料引き上げなどさらなる負担増計画を検討している。負担軽減の要請を強める一環として、「2割化」実施後の患者さんの声や実態を集めるアンケートに取り組む。アンケートは、すべての年代の方の受診状況や社会保障への意見を集めるもので、抽選で50名にカタログギフトが当たる。あわせてご活用いただきたい。

 「『保険証廃止』なんてあり得ない!」リーフ、「アンケートリーフ」ともに、11月下旬に送付しました。また、追加注文も受け付けております。「アンケートリーフ」にはポケットティッシュもあり、アンケートの締切は、2023年3月24日(当日消印有効)となります。ぜひご活用ください。          



理事会声明
保険証を廃止する方針に強く反対する
-保険証で安心して受診できる国民皆保険制度を守るべきである-

 協会は11月11日、第9回定例理事会において、下記の理事会声明を採択し、岸田文雄首相、加藤勝信厚労相、河野太郎デジタル相、県選出国会議員に送付した。

理事会声明
 保険証を廃止する方針に強く反対する
  -保険証で安心して受診できる国民皆保険制度を守るべきである-

 河野太郎デジタル大臣は、10月13日の記者会見において、「2024年秋に現在の健康保険証の廃止を目指す」と表明した。6月の政府の「骨太の方針2022」では、マイナンバーカードを保険証利用するオンライン資格確認原則義務化を表明しており、今回の大臣の発言は、「24年秋」と具体的に時期を明言した上で、「原則廃止」ではなく「廃止」を目指すと大きく踏み込んだものである。河野大臣は、現在の保険証を廃止してマイナンバーカードで受診するよう求めているが、「医療機関でのシステム不具合時はどうなるのか」「(認知症、独居・高齢単身はじめ)マイナンバーカードを管理できない人や、所持したくない人はどうするのか」など困惑・危惧が噴出している。今回の保険証の廃止の方針は、法令で強制(保険証廃止)して進めるという、あまりに乱暴で稚拙な施策である。

 現在、マイナンバーカードで受診する患者は、平均して週に病院で3人強、診療所(医科、歯科)、薬局では一人にすぎない(8月実績推計。厚労省審議会資料などより)。マイナンバーカードを持っていてもほとんどの患者・国民は保険証で受診している。マイナンバーカード紛失に伴うリスクなどから、自宅等に厳重に保管しているのが現実である。保険証の廃止は、国民皆保険制度を採用する我が国において、マイナンバーカード取得の事実上の義務化に等しい。マイナンバーカード取得は「任意」とする法令に明らかに抵触すると言わざるを得ない。一方、マイナンバーカードで受診(オンライン資格確認)できる医療機関は3割にすぎない(10月2日時点)。2023年3月末までのオンライン資格確認の体制整備の原則義務化をめぐり、小規模(スタッフが少ないなど)、高齢・閉院予定、へき地や設備投資費用が重い(見積りが高い、建物構造上改修が難しいなど)など様々な事情で体制整備ができないとする医療機関からは一律義務化は不合理といった悲鳴が多く寄せられている。2024年秋までにすべての医療機関でオンライン資格確認を行うことを当然視するがごとき今回の大臣会見は、地域を熟知した医師・歯科医師等の閉院・廃院をさらに後押し、地域医療の疲弊・崩壊に拍車をかけるものである。

 マイナンバーカードで常時受診となれば、マイナンバーカードが常時携帯されることとなり、院内含め紛失・盗難等のトラブルは各段に増え、個人情報流出や経済的被害などのリスク拡大は図り知れない。大規模な災害・システム障害ともなれば、医療現場が大混乱することは必至である。これまで同様、保険証は原則交付、マイナンバーカード利用は自由とする形が合理的であり、保険証廃止はリスク管理の上でも不合理と言わざるを得ない。

 本会は、患者・国民の命と健康を守る医師・歯科医師の団体として、政府に対して「2024年秋に保険証廃止を目指す」方針について撤回を求める。
         


(岐阜県保険医新聞2022年12月10日号)